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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

再び伊予へ

再び伊予へ

旅行期間:平成23年(2011)1月28日(金)~30日(日)
訪問標的:四国の駅舎たち

【プロローグ】

 ここのところ駅舎訪問に力を入れているのですが、四国は琴平駅にむかーし行った際、素敵な駅舎だと思ったにもかかわらず、面倒くさがって写真を撮らなかったにがーい思い出が私の中に残っていたのでした。
 また、書籍や他の方のホームページで見る、伊予鉄道は松前駅の駅舎が気になってなりません。実は、同じ伊予鉄道の高浜駅も松山観光港がらみで利用し、雰囲気のある駅だなーと感じていたにもかかわらず記録に残していないという、これまた情けない思い出があります。そのときは、大阪だったか神戸から夜行フェリーで松山入りしたのですが、今はその便ももう無いようです。これも時代の流れなのでしょうか。
 寒い時期だし、三津駅のように松前駅が改築されてはかなわん、ということで四国訪問を決めたのでした。

【1日目】瀬戸大橋で高松入り

 初日は都合で移動のみになります。ひかり567号で一路岡山へ。そこからマリンライナー43号で四国へ上陸です。岡山出発時にはけっこう混んでいたのですが、瀬戸大橋を渡る頃には車内も落ち着き、のんびりと高松到着です。高松駅では初めてJR四国のスタンプを押印。日付もセットになった印ってどうよ、とあまり期待していなかったのですが、どうしてどうして。なかなか素敵です。
 さて、今回の目的の一つが讃岐うどんを食すこと。駅からちょっと歩いた川福さんで、かやくうどんをいただきました。体が温まり、非常に満足。明日は有効に使いたいので、早々と寝ることにします。

【2日目】高松~琴平~滝宮~丸亀~飯野山登山~坂出~松山

 今朝は、8時25分発のしまんと5号で旅立ちます。この後に登る予定をしている飯野山ほかの小さな山塊を眺めながら善通寺到着。いったんここで下車し、琴平同様に前から気になっていた駅舎をカメラにおさめます。その後、普通列車で1駅移動し琴平へ。上述のようにずっと気になっていたのですが、ついに駅の写真を撮ることができました。本当に素晴らしい駅舎です。
 ところで、今回の旅程をたてるにあたって、駅舎訪問、観光、山歩きの3者をどうバランス良く仕立ててプランを組み立てるかがネックになっていました。そこへ、高松琴平電鉄でちょうどレトロ電車が運行される日に重なることも判明し、時間の制約がある中、香川から松山へ移動も盛り込む、ということで今回はこんぴらさん詣でと善通寺詣り、そして坪尻駅訪問をプランから外したのでした。私が善通寺から乗った電車を受けて、阿波池田ゆきのディーゼルカーが発車していきます。ああ、あれに乗れば坪尻駅に行けるのだが・・・。
 そんなわけで、レトロ電車に会うべく、琴平からコトデンに乗り換えです。JRの駅舎から離れていたような気がするのですが、人間の記憶はあてにならないものです。少し歩いた別駅舎から高松築港ゆき電車で、滝宮までレトロ電車を迎えに行きます。
 滝宮駅の駅舎はパステル調の色彩になっていることを事前に知り、なんだかねえと思っていたのですが、実物はなかなか素敵でした。JR四国スタンプといい、今回は期待していなかったことに喜ばされ、ありがたいことです。
 駅舎の写真を撮ったりしながら、待つこと20分。高松方面からレトロ電車がやってきました。他に同業者も来るかと思っていましたが、滝宮駅で待っていたのは私だけで、入線の様子や構内踏切からのアングルと、乗客が降りてくるまでに独占させていただきました。
 この電車に乗って琴平へ戻ります。20数年前、まだ旧型電車がコトデンで全盛だった頃、当時地上駅だった瓦町駅の狭いホームで、次々に来る電車にカメラを向けたことを懐かしく思い出します。あのときは、初めて夜行フェリーを使い、大阪から高松入りし、早朝の高松の街をてくてくと駅目指して歩いたのでした。
 終着の琴平駅ホームで旧型車をしばし撮影の後、JRに戻り丸亀へ向かいます。今回、飯野山登山を盛り込むにあたり、駅からのアプローチである丸亀市のコミュニティバスの時刻に悪戦苦闘だったのですが、山の東側から坂出駅へ抜ける琴参バスの路線を発見。行きは丸亀から、戻りは坂出へとルートを取り、問題は解決したのでした。
 コミュニティバスを飯野山登山口で下車。前から登りたかった飯野山にアタックです。さほど標高が無いのでなめてかかり、直登コースで一気に登ったのですが、これが案外しんどかった。結局、バス停から45分ほどで頂上へ。しばし休憩の後、バスの時間もありいそいそと降り始めます。頂上から少し降りたところに、瀬戸大橋を眺めることができるところがあり、個人的には頂上よりもこちらの眺望のほうが気に入りました。
 ところで、この山、標識類が少なくどの分岐で南東側へ降りればよいのかよくわかりません。不安になりながら降りて行くと、分岐の標識が現われホッと一息です。下りは30分ほどでした。下から見上げる山はこんもり盛り上がり、今さっきあのてっぺんに立ったのだと感慨にふけります。
 国道に出てバス停を探すのですが、事前に地図で見たところにはコミュニティバスの標識しかありません。「路線変更があったのか・・・」と気が重くなりながら、とりあえず坂出側へ進んでみます。すると、ほどなく黄色い琴参バスのバス停があらわれました。このバスは全便が日祝日運休なので、明日は無し。今日しか乗ることができず、私のプラン作成のポイントになっていたのでした。
 坂出駅は周遊きっぷの自由乗降区間に戻るので、好きなように動くことができます。このまま今日の泊地、松山へ向かってもよいのですが、滝宮駅のパステル調に耐えることができた今、来るまでは眼中に無かった琴電屋島駅に行ってみたくなりました。
 高松へ戻り、高松築港、瓦町と移動し、琴電屋島へ。背の高いぬぼーっとした駅舎でしたが、来てよかったです。滝宮駅もそうでしたが、駅内に産業遺産だったかに指定された旨の表示があり、興味深く読ませてもらったのでした。
 これで今日の用事はおしまいです。高松を16時50分に出る特急いしづち23号で、一路松山へ。途中で、日も暮れ車窓は明日のお楽しみに。松山では、駅構内のそば、うどん屋の営業時間に間に合い、じゃこてんそばを食します。この後、歩いて、繁華街の中のホテルにチェックイン。地図で見てわかってはいたものの、JRの駅から栄えているエリアは遠いですね。いい運動になりました。

【3日目】松山市~伊予鉄道の駅めぐり~松山城~松山駅~新大阪~自宅

 今日は、昼前まで伊予鉄道の古い駅をめぐり、松山城登山で体を動かし、予讃線、新幹線経由で自宅へ戻ります。
 いつもゆっくりしている私のわりには早くホテルを出発でき、8時過ぎ松山市発の高浜ゆき電車に乗り込みます。ごとごとゆられて、東京ラブストーリーの梅津寺のあたりで海を眺めながら高浜到着。早速、駅舎の撮影にかかりますが、朝はど逆光。この後、訪問するすべての駅で逆光に悩まされることになります。午後訪問が鉄則なのでしょうか。とまれ、高浜駅再訪を果たすことができたのでした。
 さて、松前駅をはじめとする駅群に向かうべく、松山市駅へ戻り郡中港ゆき電車に乗ります。まず最初に、今回いちばん訪ねたかった松前駅へ。ホームから見た時点で、駅舎の素敵さが伝わってきました。駅舎もさることながら、ホームの情景も素敵でした。この後は、余戸駅、岡田駅と降りてみたのですが、素敵な駅舎で満足。構内踏切のある光景に特に惹かれました。
 ずっと行きたかった松前駅を訪ねることもでき、さあ後は帰るだけ。その前に松山城の姿だけ見て行きましょう。以前にも来たことがあるので、中には入らないつもりです。愛媛県庁付近から急坂を登り、けっこうしんどいやないかとヒーヒー言いながら、眺望の良いところに到着。と、ここで知らないおじさんに急に話かけられました。やたらこの城のことに詳しく、門が防御に果たす役割なんかを説明してくれるのですが、いきなりなんで非常にあやしい。で、なんだか成り行きで一緒にお城の中をまわり出したのですが、話をしていくうちに分かったのは、この方はこの日は非番のボランティアガイドの方でした。道理で詳しいはずです。城山のてっぺんは2こぶの山の谷を埋めて平らにしたようだとか、建物の角が鋭角になっているのは珍しいとか、昔からの石垣はこっち側だとか(城の奥のほうで、自分一人だったら行ってなかっただろうところでした。素人目に見ても、なだらかな曲線を描く石垣が美しかったです。)、城の中に床の間があるのが不思議だとか、一人で漫然として見ているより断然面白く、最初は帰りのしおかぜ号の時間が気になっていたのですが、帰りの列車はまあなんとかなるだろうとおじさんの説明に身をまかせたのでした。私の地元の藤堂高虎と加藤嘉明はライバルだった、なんて説明を聞きながら、たっぷり2時間ほど付いてまわっていただきました。前述のとおり、城山を登ったらとっとと降りるつもりだったのですが、思い出深い探訪となりました。おまけに帰りはJRの駅まで一緒に歩いてくださり、本当にありがたかったです。口下手な私にお付き合いいただき、なんだか申し訳なかったです。缶コーヒーでも、とおすすめしたのですが固辞され、お礼を尽くせなかったのが心残りです。
 人付き合いが下手な私に、旅での出会いは少ないのですが、思い出に残る出会いを感じながら、松山をあとにします。いや、いろいろ出会っているのに私が気付いてこなかっただけなのでしょうか。と、その前に、前夜食べた駅構内の店で今度は、じゃこ天うどんを食します。松山よ、四国よありがとう。当初予定では、丸亀で途中下車してうどんを食べる予定でしたが、岡山へ直行、新幹線、高速バスとスムーズに乗り継ぐことができました。予讃線の車窓には期待していませんでしたが、海や雪化粧した石鎚山系の風景に心地よく列車旅を続けたのでした。

《おしまい》



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